自動車のスマート化は「機能の向上」から「体験の向上」へと進んでいます。AIコックピットが人とクルマのより深い接点となる中、スマートデバイスも単なる機能ツールから、より自然な対話や寄り添いを生む存在へと広がり、車内体験に親しみや情緒的な価値をもたらしています。
このほど、JDOと上海虾线科技有限公司は戦略的提携に合意しました。両社はAIコックピットと車載スマート製品の分野で連携を深め、車載ロボットなどのスマートハードウェアとコックピットシステムを組み合わせた応用を共同で探ります。

JDO:データ、サービス、車載の利用場面をつなぐ
JDOは、特定分野向けの大規模モデルとエージェントを中核とするAIソリューションの研究開発・提供に取り組む中国のAI企業です。今回の提携では、スマートな対話、車載サービス、自動車メーカーとのプロジェクトで培った経験を生かし、車種やユーザーのニーズに合わせて車内での対話体験を改善していきます。
両社は今回の提携を通じて、AIによる対話機能と車載ハードウェアを連携させ、タスク計画やサービスの呼び出しといった機能を車載ロボットなどの機器に適用していきます。ハードウェアと特定分野向け大規模モデルのエージェントを組み合わせ、ソフトウェアとハードウェアが一体となったコックピット向けソリューションを目指します。ユーザーが移動に関する要望を伝えた後も、その要望に沿ってやり取りを続け、情報の提案やサービスの選択をつなげることで、同じ説明の繰り返しや操作の切り替えを減らします。
上海虾线科技は、車載ロボット、スマートアロマディフューザー、Bluetooth対応の回転ノブ式ディスプレーなどの車載スマートハードウェア製品を手がけ、製品開発、エンジニアリング、サプライチェーンに関する能力を備えています。
両社はそれぞれの強みを補い合い、対話方法、サービス連携、車種への適合について製品を共同開発します。車載ロボットなどの機器は、より直感的な対話の接点となり、車内での寄り添いと実際の利用ニーズを結び付ける可能性があります。
乗用車から商用車まで、それぞれの利用ニーズに着目
乗用車では、AIコックピットが自動車のスマート化を支える重要な要素になっています。今回の提携でも、これまでの技術を基に、日々の通勤や家族での移動といったニーズに合わせて、機器とコックピットサービスの連携を探ります。旅行を例に取ると、目的地、経路、途中でのエネルギー補給は一つの要望に含まれる場合が多く、やり取りを個別の質問への回答で終わらせず、一連の流れとして組み立てる必要があります。
商用車向けAIコックピットも、JDOと上海虾线科技が今後さらに検討する応用分野の一つです。商用車のドライバーは乗用車の利用者に比べ、安全性、効率、コスト、運行のしやすさを重視します。充電情報、経路や道路網、安全に関する通知、疲労への注意喚起、駐車や補給などは、日々の運行に密接に関わるニーズです。
そのため、商用車向けAIコックピットでは乗用車向けの仕組みをそのまま移すのではなく、実際の運行に合わせて情報、対話、サービスを構成する必要があります。両社は自動車メーカーのニーズを踏まえ、ナビゲーション、道路網、エネルギー、安全に関する情報を商用車のコックピットにさらに取り込み、運転業務に合った対話方法を通じて、運行の実態に即したサービスを提供する可能性を探ります。
自動車メーカーのニーズを起点に、適合と検証を進める
自動車のスマート化において、技術と製品は最終的に実際の自動車メーカーとのプロジェクトで検証する必要があります。その検証では、ユーザーの要望を正確に理解できるか、関連するサービスが途切れずにつながるか、提示する情報がそのときの運転・利用状況に適しているかを確かめます。

今後、両社は自動車メーカーの実際のニーズに沿って製品を共同開発し、車種ごとの利用者層やコックピットの構成を踏まえ、共同ソリューションの検証と改善を続けます。今回の提携を通じて車載機器とサービスをさらに結び付け、より多くの車種や利用場面におけるAIコックピットの価値を探っていきます。